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インドネシアの伝統工芸や美術を知るためには、インドネシアでどのような美術教育がおこなわれているのか知りたいと、以前から思っていました。
また、授業の教材として使える材料、たとえば画用紙一つにしても、インドネシアで探すのはとても難しい上に、どんな物があり、どこで手に入れることができるか知りたいと思っていました。
しかし、いったいどうやってつながりを作ればいいんだ? ということでそうこうするうちにもうすぐ2年がたとうとしていました。これではいけない。任期が終わってしまう。
そこでまずジャパンファンデーションにジャカルタで活躍中の芸術家や芸術大学の教授を紹介してもらいました。それをもとにインドネシア理解の先生にお願いしてジャカルタ芸術大学アポイントメントをとってもらいました。そこで今回のIKJ訪問が実現しました。
ジャカルタ芸術大学はざっとこんな所です。この大学には今回はいけなかったけれど、音楽とか演劇とかそういう科もあるそうです。今まで美術関係で、ここにないと思われていた物を日本に発注していましたが、結論としてジャカルタでそろわない物はないということがわかりました。
インステュート クスニアン ジャカルタ(ジャカルタ 芸術大学)の正門。
この芸術大学は、メンテンのチキニにあるタマン イスマエル マルズキ公園の敷地の中にあります。
この公園内には、プラネタリウムや劇場、映画館などが入っています。イニシャルをとってティムと呼ばれています。この大学への入り口もティム内にあります。大学の建物の一つ。講堂になっていて作品の掲示などもできるようになっている。
ちょうどこの日は、3年生の試験中で、進級のための作品の展示と筆記試験が行われていました。この建物の中の様子です。学生たちの作品が展示してありました。油絵や水彩画でした。
試験のための椅子が並べられていました。さすが芸大の校内という感じです。校内を仕切るどの壁にも壁画が描かれていました。
具象的な物から、抽象的な物までカラフルです。美術科の収まっている校舎です。陶芸科は別棟になっていました。
中を歩いていると学生時代に戻ったみたいな感じがしました。
もう一度大学生をしてみたいな。彫刻科のサリム先生(左)と私です。サリム先生は木彫が専門です。
この壁紙はサリム先生の作品の写真の一部を使って作ってあります。木彫については、木彫のページをみてね
彫刻科の大学生です。のみ(パハット)を使って木を彫っています。
脇でサリム先生がアドバイスをしています。
この時彫刻科の学生は5人ぐらいが来て制作をしていました。1年から4年までで16人の学生が勉強しているということです。
板を かんなで削る学生彫刻科の粘土作品。 右はモデリング用の粘土です。
この粘土は非常にきめが細かく乾きにくい粘土で、JJS(ジャカルタ日本人学校)で来年使ってみるつもりです。ジョグジャカルタから取り寄せています。
1キログラムあたり750ルピアと値段もお手頃です。
今回の収穫の一つです。デザイン、テキスタイルの教授、ボーイック先生(左)です。
右は私。とても親切な先生で、学内を、私の怪しげなインドネシア語での質問や、ずかずかとどこでも入っていき、色々と聞く、図々しい私につきあって下さいました。デザインの部屋で、織りかけのイカットがありました。
学生の字で、「制作中につきさわらないで下さい。」と書いてあります。
他の学生は基礎デザインをやっていました。テキスタイルの部屋で、学生達の作品が展示してありました。
絞り染めやバテック、イカットなどがあります。
ここジャカルタ芸術大学では、インドネシアの伝統的な工芸品や技術を大変大切にして、守り育てていることに感心させられました。絵画科の部屋です。日イ交流絵画展では具象的な絵が多くモダンな絵画についてはインドネシアではあまり盛んでないと思っていました。
しかしここでは抽象絵画など自由な表現をした絵画が多かったです。
大学に入って最初に、デッサンなど基礎的な勉強をするそうで、日本とあまり変わらないなと思いました。陶芸教室にあるガス窯です。ジャカルタに来た頃、色々な人に陶芸用の小型窯のことを聞きましたが、あることが確認できませんでした。
それがこんなところにあるとは。もっと早く来るべきだったと悔やまれます。
プロパンガスを燃料にしています。値段を聞くと思ったより安くできるようです。
JJSにも欲しいな。足蹴りろくろです。重さが十分で、なかなか使いやすそうでした。
日本でろくろを回していた私にとってうらやましいです。
ここの粘土はJJSと同じくプロワカルタから買っているようです。
これは版画ですが。日本のように版画に向いている合板はここでは見つけることができませんでした。しかし、木版に変わるゴム版が、床材などを売っているインテリアの店で買うことが簡単にできます。ちなみに頃はインドネシア大学の学生のゴム版です。聞けば版画インクもあるということ。
発想の転換が大切だなと思いました。
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