高等学校の実践事例

 
[1]高等学校英語授業改善のためのポイント
 
1 生徒が英語を使い、英語に接する時間を増やす
(1)各科目において、毎時間英語のみで教える場面を設定する。
   ・オーラルコミュニケーションでは、100%英語で行うことを目指す。
   ・その他の科目でも英語のみで指導し、生徒も英語で活動する場面を設ける。
(2) 英語I・II等の総合科目でも、内容理解や言語材料の説明ばかりに時間を使うの
   ではなく、英語を聞く・話す・書く活動にもっと時間を使う。
(3) 説明を聞く時間を減らし、生徒が実際に英語を聞く・話す・読む・書く活動の
  総量を増やす。
 
2 各領域の指導における配慮事項
(1)聞くことの指導
    ・テープ等を聞く前に、何を聞き取るかを明確にし、聞く目的を持った活動を設
     定する。
    ・最初から、細部に至るまで全てを聞き取らせようとする指導ではなく、全体から
     部分へと順に把握できるような指導をする。
 
(2)話すことの指導
    ・基本的な表現を暗唱させることが、話すことの指導だと誤解している場合が多
     い。基本的な表現は、口頭での徹底的な練習を通して習得させる。
    ・即興で英語を話す活動を設定する。蓄えた知識・技能を応用し、適切な表現を
     思いつかない場合や、相手の言うことがわからない場合の対処の仕方など、コ
     ミュニケーション方略を身につけさせる。
 
(3)読むことの指導
    ・比較的易しい英文を教材にし、読む英文の量を増やす。(週に1〜2回程度は、
     速読の時間も設ける:1回につき数分程度でも可)
    ・英文の全体から部分へと順に把握できるように活動を設定する。
    ・読む活動を工夫し、英文を読む目的のある活動を設定する。(文字をとおしての
     コミュニケーションを目指す→コミュニケーションとしてのリーディング活動)
    ・skimming, scanningを活用した活動を設定する。
 
(4)書くことの指導
    ・和文英訳以外の活動も設定する。
    ・生徒が英語で自分を表現する機会を多く与える。
    ・添削の方法 @いつも生徒の誤りを全て訂正する必要はない。 
              A文法や語法の指摘だけではなく、パラグラフや、文章の構成に
         
ついても指導をする。
 
(5)統合的な指導
    ・各領域を単独で扱うのではなく、読んだことについて話し合ったり、聞いたことにつ
     いて書いたりするなど、つの領域を他の領域と関連づけた指導をする。
 
[2]授業実践の例
具体的な指導案の例は、下記の下線の部分をクリックしてください。
1「統合的な活動の例」
2「言語材料を理解し、実際に活用している例」
3「LL機器を活用した例(オーラル・コミュニケーションB)」
4「ディベートの実践例」 
5「インターネットを活用した例」 
 
[3]総合教育センターでの研修  
 総合教育センターでは、初任者研修、3年目研修、6年目研修、12年目研修で教科の研修を実施しています。その研修では、教科の指導について経験年数に応じて下記のような目標を設置しています。

 @ 初任者研修・・・1単位時間の授業を実践する力の育成

 A 3年目研修・・・単元指導計画に基づいた授業を実践する力の育成

 B 6年目研修・・・教科の専門性に応じて、工夫した授業を実践する力の育成

 C 12年目研修・・教科の研究を推進する力の育成
 

初任者への指導案の書き方の見本として提示している指導案例です。
○初任者指導案例