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【高等学校】令和4年度版

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このページは、「指導と評価の年間計画」・「評価規準」の作成について説明し、参考資料を提供するものです。

 本ページは、国立教育政策研究所教育課程研究センターが作成した【「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料】(令和3年8月)等を参考に、作成しました。

    ※最終更新月日 令和4年3月31日

1 高等学校学習指導要領改訂を踏まえた学習評価の意義について

(1) 学習評価の充実

@ 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。

A 各教科・科目等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。

B 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、組織的かつ計画的な取組を推進する。

C 学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。


(2)カリキュラム・マネジメントの一環としての指導と評価 : 評価を教育課程の改善に役立てる

  「学習指導」と「学習評価」は学校の教育活動の根幹に当たり、教育課程に基づいて組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図る「カリキュラム・マネジメント」の中核的な役割を担っている。


(3)主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善と評価 : 指導と評価の一体化

@ 生徒一人一人の学習の成立を促すための評価という視点を一層重視する。

A 教師が自らの指導のねらいに応じて授業での生徒の学びを振り返り、学習や指導の改善に生かしていくこと。


(4)学習評価の改善の基本的な方向性

@ 児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと。

A 教師の指導改善につながるものにしていくこと。

B これまで慣行として行われてきたことでも、必要性・妥当性が認められないものは見直していくこと。


(5)評価の観点の整理

  知・徳・体にわたる「生きる力」を生徒に育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を共有しながら、授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を促すため、全ての教科・科目等の目標及び内容を三つの柱で整理した。

・「知識及び技能」:何を理解しているか。何ができるか。

・「思考力、判断力、表現力等」:理解していること・できることをどう使うか。

・「学びに向かう力、人間性等」:どのように社会・世界をと関わり、よりよい人生を送るか。

 

2 各教科・科目の学習評価

(1) 「知識・技能」の評価について

  各教科等における学習の過程を通した知識及び技能の習得状況について評価を行うとともに、それらを既有の知識及び技能と関連付けたり活用したりする中で、他の学習や生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり、技能を習得したりしているかについても評価する。評価例として次が考えられる。

・ペーパーテストでは、事実的な知識の習得を問う問題と、知識の概念的な理解を問う問題とのバランスに配慮する。

・生徒が文章による説明をしたり、各教科等の内容の特質に応じて、観察・実験したり、式やグラフで表現したりするなど、実際に知識や技能を用いる場面を設ける。


(2) 「思考・判断・表現」の評価について

  各教科等の知識及び技能を活用して課題を解決する等のために必要な思考力、判断力、表現力等を身に付けているかを評価する。評価例として次が考えられる。

・ペーパーテスト、論述やレポートの作成、発表、グループでの話合い、作品の制作や表現等の多様な活動、ポートフォリオ


(3) 「主体的に学習に取り組む態度」の評価について

  知識及び技能を習得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりするために、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら、学ぼうとしているかどうかという意思的な側面を評価する。

@ 知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組を行おうとしている側面。

A @の粘り強い取組を行う中で、自らの学習を調整しようとする側面という二つの側面を評価する。ここでの評価は、生徒の学習の調整が「適切に行われているか」を必ずしも判断するものではなく、学習の調整が知識及び技能の習得などに結び付いていない場合には、教師が学習の進め方を適切に指導する。

・評価の例として、ノートやレポート等における記述、授業中の発言、教師による行動観察や生徒による自己評価や相互評価等の状況を、教師が評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いることが考えられる。


3 評価規準の設定例

≪各教科別の資料≫

○国立教育政策研究所教育課程研究センター

 「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料」(令和3年8月)

    http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html

4 学習評価を行う上での各学校における留意事項について

(1) 評価の方針等の生徒との共有

・学習評価の妥当性や信頼性を高めるとともに、生徒自身に学習の見通しを持たせるため、学習評価の方針を事前に生徒と共有する場面を必要に応じて設ける。


(2) 観点別学習状況の評価を行う場面の精選

・観点別学習状況の評価に係る記録は、毎回の授業ではなく、単元や題材などの内容や時間のまとまりごとにおこなうなど、評価の場面を精選する。

・評価材料の収集は、3つの観点に分けて収集する。

・日々の授業における生徒の学習状況を適宜把握して指導の改善に生かすことに重点を置くことが重要。


(3) 学校の教育目標、目指す生徒像等を基にした学校全体としての組織的かつ計画的な取組

・評価規準や評価方法を事前に教師同士で検討し明確化する。

・評価に関する実践事例の蓄積・共有する。

・評価結果の検討を通じた教師の力量の向上を図る。

 

 

 

 

< 文部科学省のウェブサイトから>

  中央教育審議会の答申、文部科学省の通知及び国立教育政策研究所の研究資料は、下記のウェッブサイトからダウンロードすることができます。