ネットワークを利用したインターネット通信講座
教育委員会月報

ネットワークを利用したインターネット通信講座


岐阜県教育委員会

1 本県の情報教育の推進

 本県においては、高度情報社会に対応するため、教育機関及び生涯学習関連施設における情報通信基盤の整備を図り、多様化・高度化する社会のニーズに対して的確な情報を提供できるよう教育情報ネットワークを(SMILE)を構築している。また、SMILEを利用して、教育関係機関における情報交流を図るととともにインターネット等を学校教育に活用できるよう全学校におけるインターネット環境を整備した。

2 ネットワークを利用した教員研修

 86校の高等学校等の情報担当者は、インターネット環境の整った情報処理教育センターで研修を行っているが、600近い小中学校の情報担当者を教育センターで集めての集中研修は、時間的にも困難である。そこで、各学校に整備されたインターネット端末を利用し、教育センターから研修用のテキストを電子メールで送付し、各学校で主体的に自由に教員研修できるシステムを構築することになり、インターネット通信講座を平成9年6月2日からスタートした。

3 インターネット通信講座

 ネットワークを利用した研修のシステムを次のように行った。
  1. 全学校を一つのメーリングリストとして構築する。

  2. テキストを作成していただける先生をボランティアで集める。

  3. テキスト作成委員会のメーリングリストを作り、電子メール等でテキストの添削等を行う。

  4. 教育センターから毎日(月から金)、メーリングリストを使ってテキストを送信する。

4 テキストの内容

 テキスト内容は、インターネットを学校教育に活用するために、次の3つを考えた。

  1. ホームページの活用

  2.  授業に活用できるホームページのサイトを照会し、コンピュータの操作方法を示しながら、具体的にどう活用するかを示した内容。
     例1 学習上の疑問を学校外の人にインターネットを介して尋ねよう。

  3. 電子メールの活用

  4.  Exchangeをベースにした操作方法を示しながら、すぐに活用できる送信の仕方、ネチケット等の内容。
     例2 市町村の学校をアドレス帳に登録し、いつでもメールを送ることができるようにしよう。

  5. ホームページの作成

  6.  基本的なタグを説明しながら、学校の実態にあったホームページを作成できる内容。
     例3 ホームページ(HTML)にタイトルをつけるのは?


5 テキストの送信

 教育センターの情報担当主事は、メーリングリストを使って、毎朝、各学校でメールが開けるように、全学校にテキストを添付し送信する。各学校は、毎朝届く電子メールを開き、職員の実態に応じて、、主体的に自由に研修できるし研修方法を工夫する。テキストについて質問等があれば、テキスト作成者に電子メールで質問をする。

6 学校での通信講座のテキストの活用方法

 毎日学校に届いたテキストは、学校独自で工夫して活用する。

  1. 当番を作って電子メールを開き、テキストに従って研修したり、テキストを印刷しファイルにとじる。

  2. 情報担当者が電子メールを開き、テキスト内容を見て、関係ある先生に研修するように指示する。

  3. 電子メールのテキストをファイルに保存し、コンピュータの研修日に活用する。

A小学校の例
 毎朝、教育センターから送信される通信講座テキスト。八時一五分の職員朝会の前には、受信されたテキストが印刷され、机上に配られる。新聞が配られるように職員室のいつもの風景になっている。第一章から始まり、第三章へと進められてきた通信講座とともに、先生方がパソコンの前に座る時間が増えてきた。インターネットで必要な情報を検索したり、学習に使えるホームページを探したりと日常的に利用されている。
 本校の研修は、四月から次のように行ってきた。
@メールの送受信、ネットスケープナビゲーターの使い方などの研修
A通信講座の中で、ファイル操作中心あるいはタイムリーな内容の研修テキストについては、全員で研修する。
Bその他のテキストは初心者の先生方にもよくわかるようになっているので、概要の紹介をして自主研修に任せている。
 なかなかまとまった研修の時間をとれないのが現状であるが、本校は小規模校であるので、休み時間や放課後でも「ちょっとやってみましょう。」とすぐパソコンの周りに集まることができる。最近、職員同士の会話の中で不明なことがあると「インターネットで調べてみたら。」という声が出るようになってきた。先生方のこの姿勢が、さらに子どもたちへと広がっている。週一回の全校個人学習の時には、「インターネットで調べたい」と児童が次々にやってくるようになっている。本校にとって、インターネットの可能性を教えてくれた「通信講座」といえる。

7 今後の課題

 現在、教育センターを本県の情報教育の拠点としてインターネット等の研修ができるように整備している。また、県内の三箇所の教育用ソフトウエアライブラリセンターも研修ができるような複合機能を持たせ、教育センター、ライブラリセンター、ネットワークのそれぞれのよさを活用して、主体的に研修ができるようにしたい。


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