知的気付き

生活科における知的気付きについて


 現行の指導要領の「気付き」と全く変わりません。子ども達が活動を通して得た気付きを教師は知的なものとして捉えましょう。というものです。敢えてまとめると
○ 発見の喜びや実感を伴ったもの
○ 次の活動の契機となるもの
○ 社会認識、自然認識の芽となるもの
○ 自分自身のよさや成長、友達のよさや成長につながるもの

 子ども達は、具体的な活動や体験を通して、人々、社会及び自然と自分とのかかわりについて、自分なりにとらえます。すなわち、

 環境からの刺激が自分にとってどんな意味があるか子どもなりに価値があると実感して感じ取り、新たに働きかけたり表現したりします。その際、表出する子どもの姿や内面をとらえることが指導と評価になります。
 行為、振る舞い、しぐさ、つぶやき、表情などから気付きを捉え評価し、次の活動への意欲や方向付けをすることが教師の重要な役目になります。

子どもの気付きは無自覚的です。
教師が子どもの学びを見とり、それを意味付け、価値付けすることで、
知的な気付きの自覚化を促し、自信と意欲につなげていく。

<嶋野 道弘視学官>
  ・他者から客観的に見て知識となりうるもの
  ・多くの人がその子固有にもつ気付きに共感できるもの

□知的な気付きを大切にした指導(新学習指導要領の改善の方針)を充実させるために
1 知的な気付きが生まれる、知的な気付きの深まりや広がりを求める指導計画の見直しを図る。
○ゆとりある指導計画 ・・・繰り返し行う具体的な活動や体験
<おすすめできない例>

 町探検 14時間構成
  ・探検計画(4時間) ・探検(4時間) ・発表準備(4時間) ・発表(2時間)
 この例は表現のための町探検になっています。これでは知的な気付きは生まれてきません。
  探検1 → 気付き1 → 探検2 → 気付き2 →探検3・・・・・というように、探検により、「かかわり、表現する」気付きが生まれる。気付きから新たな願いが生まれる。また、探検により「かかわり、表現する」この繰り返しで渦のように「気付きとかかわり、表現」が広がり深まらなければなりません。子ども達はこの活動の繰り返しで真に学びを獲得していくはずです。
 あなた方の学校の指導計画、今一度見直してみませんか?

○自校の目の前にいる子どもたちにとって価値ある体験

2 子どもの学びの道筋をみとり、タイムリーに意味付け、価値付けをし、気付きの自覚化を促すことができる教師の指導力の向上
  ・具体的な子どもの姿で研究、研修をすすめることが大切

※ 協力体制といいますが、安易なTTの指導や2学年合同授業等を設定しないようにしましょう。真に子どもの学習成立を考えたとき、生活科では、十分子ども理解にたった指導を展開するために、担任教師が責任をもって自分の担任の子どもの学びをみとることが大切です。今、生活科の指導で一番危惧しているところです。(嶋野 道弘視学官もおっしゃってみえました)

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