発達段階に応じた情報活用能力を育成するための指導内容
小・中学校 ※本文にもどる
情報活用能力 |
情報を収集する能力 |
情報を分類・整理する能力 |
情報を創る能力 |
情報を伝える能力 |
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目的や意図に応じて必要な情報を検索したり収集したりする力 |
収集した情報の価値をとらえたり,観点をもって整理したりする能力 |
発信する内容を発想したり,表現内容を明確にしたりして,情報を伝える構想を立てる力 |
表現方法・手段を工夫し相手に分かりやすく伝えたり,その結果を振り返ったりする力 |
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主な活動の観点 |
・相手意識,目的意識 ・収集の観点 ・聞き取り(インタビュー,アンケート) ・読み取り(本=図鑑,辞典) (資料=絵,写真,新聞,テレビ, VTR,インターネット) ・自然体験,社会体験 ・観察,実験,見学,調査 ・記録(視写,絵,図表,メモ) |
・相手意識,目的意識 ・分類・選択の観点 ・比較,順序 ・分類,選択,関係付け (色付箋,色カード) ・整理(図表) ・記録,保存 (ファイル,データベース) |
・相手意識,目的意識 ・場面,状況意識 ・方法意識 ・選択,関係付け ・主題,要旨の明確化 ・着想,発想,構想 ・構成(序論→本論→結論,起承束結, 起承転結,演繹的展開,帰納的展開) ・推敲 |
・相手意識,目的意識 ・場面,状況意識 ・方法意識 ・文章表現(手紙,礼状,依頼状, 新聞,感想,説明,記録,報告, 意見) ・音声表現(発表,スピーチ,説明, 対話,討論,パネルディスカッション) ・資料・機器の活用(B紙,パネル, OHP,本,パンフレット, リーフレット,パソコン) ・評価意識 ・処理,成果 |
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小学校 |
1,2年 |
指導内容 |
・必要な情報を得るために簡単な取材活動(特に,尋ねる,易しい本を読む)ができる。 ・情報を視写したり,簡単な絵や図,文にかいたりすることができる。 |
・集めた情報が自分にとって必要なものかどうか比較して選ぶことができる。 ・必要な情報をカードやノートに順序よく整理することができる。 |
・見聞きしたり経験したりして得た情報から,身近な人に伝える内容をとらえることができる。 ・伝えたい内容を簡単な組立て(問いかけ,答え)で考えることができる。 ・文章を読み返し,間違いなどに注意する。
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・見聞きしたり経験したりしたことを順序よく相手に分かるように表現することができる。 ・姿勢,口形に注意して,はっきりとした発音で進んで話すことができる。 ・自分の発表に対する感想をもつことができる。 |
3,4年 |
・必要な情報を得るために簡単な取材活動(特に,インタビュー,アンケート,いろいろな本を読む)ができる。 ・情報の要点や中心点をまとめたり,数量など必要な情報をメモしたりすることができる。 |
・集めた情報が自分にとって必要なものかどうか比較したり,順序づけたり,分類したりして選ぶことができる。 ・必要な情報をカードやノートに種類別,重要度別に整理することができる。 |
・見聞きしたり経験したり読書したりして得た情報から,伝える内容の中心点を明確にとらえることができる。 ・伝えたい内容を簡単な組立て(問題→2,3つの理由(事実・事例)→結論,問題→結論→2,3つの理由(事実・事例))で考えることができる。 ・文章のよいところを見付けたり,間違いなどを正したりすることができる。
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・相手や場に応じて丁寧な言葉を使い,中心点を明確にして,相手に伝わるように表現することができる。 ・その場の状況や目的に応じた適切な音量や速さで話すことができる。 ・相手の話を聞いたり文章を読んだり,感想をもち,友達の表現のよさに気づくことができる。 |
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5,6年 |
・目的や意図に応じた情報を得るために取材活動(特に,インタビュー,アンケート,本・資料の効果的な調べ読み)ができる。 ・事実と感想,事実と意見,引用と感想を区別して要点を書くことができる。 |
・集めた情報が伝えたい内容を伝えるのに効果的であるどうか分類したり,関係づけたりして選ぶことができる。 ・必要な情報をカードやノートに分類し,大見出し,小見出し,キーワードをつけて整理する。 |
・見聞きしたり経験したり調べたり読書したりして得た情報から,伝える内容の中心点を明確にとらえることができる。 ・伝えたい内容が効果的に伝わる組立て(問題→理由,事象と感想,意見→結論)を考えることができる。 ・表現の効果などを確かめたり,工夫したりすることができる。
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・目的や意図,相手に応じて全体の構成を考えて表現することができる。 ・その場の状況や目的に応じた適切な音量や速さ,適切な言葉遣いで話すことができる。 ・話し手の意図を考えて聞いたり読んだりして,自分の立場や意図をはっきりすることができる。 ・成果からみて,自分の表現内容,方法,技能を振り返ることができる。 |
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中学校 |
1年 |
・目的や意図に応じた情報を得るために取材活動(特に,インタビュー,アンケート,テレビ, VTRの利用)ができる。・多様な学習資料から必要な情報を効果的に集め,全体と部分,事実と意見の関係に注意し,目的や必要に応じて情報の内容を要約することができる。 |
・伝えたい内容を的確に表わすための適切な情報を集め,分類したり,関係づけたりして選ぶことができる。 ・必要な情報をいつでも活用できるように,キーワードを付けたり,出典をメモしたりすることができる。 |
・集めた情報から,事実や自分の考えを区別してとらえることができる。 ・伝えたい内容が効果的に伝わる組立て(章立て,段落の役割,文と文の接続関係,事実と意見の区別)を考えることができる。 ・文章を読み返し,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめ,読みやすく分かりやすい文章にすることができる。
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・自分の考えや気持ちを相手に理解してもらえるように,文章表現や音声表現を選択し,資料・機器を利用して表現することができる。 ・話す速度や音量,言葉の調子や間のとり方に注意して,適切な言葉遣いで話すことができる。 ・話し手の意図を考えて聞いたり読んだりして,自分の立場や意図をはっきりすることができる。 ・題材のとらえ方や材料の集め方などについて自分の表現の参考にすることができる。 |
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2,3年 |
・必要な情報を得るために目的が明確な取材活動(特に,インタビュー,アンケート,本・資料の効果的な調べ読み,テレビ, VTR,インターネットの利用)ができる。・多様な学習資料から必要な情報を効果的に集め,中心点と付加的な部分,事実と意見,引用と感想を区別し,自分の見方や考え方を深めるとともに,情報の内容を要約することができる。 |
・伝えたい内容を自分の立場で明確に表わすための適切な情報を集め,事実と意見を区別して分類したり,関係づけたりして選ぶことができる。 ・必要な情報をいつでも活用できるように,キーワードを付けたり,出典をメモして,目的に応じて保存することができる。 |
・集めた情報から,自分の考えを明確にし,根拠となる事実と区別してとらえることができる。 ・話の内容や意図に応じて伝えたい内容が効果的に伝わる組立て(章立て,根拠の明確化,論理の展開の工夫,事実と意見の区別)を考えることができる。 ・文章を読み返し,文や文章を整えて,説得力のある文章にすることができる。
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・自分の考えや気持ちを相手に理解してもらえるように,文章表現や音声表現を選択し,資料・機器を利用して表現することができる。 ・話す速度や音量,言葉の調子や間のとり方に注意して,適切な言葉遣いで話すことができる。 ・話の中心と付加,事実と意見の関係に注意し,話の論理的な構成や展開を考えて聞いたり読んだりして,自分の考えを深めることができる。 ・論理の展開の仕方や材料の活用の仕方などについて自分の表現に役立てることができる。 |
下線
新指導要領より( 話すこと・聞くこと, 書くこと, 読むこと, 言語事項, 二領域以上にわたっているもの)