国際理解教育研究部会夏季ゼミナール
第2分科会「言語教育」〜まとめ〜
分科会サブテーマ 楽しみながら身につく英語活動 |
1.実践発表
豊かな自己表現力を育てる英語教育
平成13年度岐阜県中学校英語科研究会「入門期指導部会」
小学校英語活動と中学校英語をつなぐ、中学校入門期における英語学習指導の在り方助言者 中村 美幸(大垣市立赤坂小学校 校長)
司会者 古田 直之(益田郡下呂中学校)
記録者 浦島 恵子(各務原市稲西小学校)
2.質疑応答・感想
@中学校の教員が小学校の英語活動の様子を見に行くチャンスがない。良い方法はないか。
・国際理解教育部会に所属して、交流を深めていく。
・中学校英語研究会と、小学校国際理解教育部会との連携を深めていく。
・各務原市では、『英語に親しむ時間』の専門委員会を組織し、各校の担当者が情報を交流している。
さらに、年間1回小学校での英語活動の様子を公開し、中学校の教員も参加するようにしている。
・穂積町では、月に1回小中学校の協同研修や授業交流を行っている。
小学校では、楽しく英語活動に参加していた子も、文字と文法の導入で戸惑うことが多い。また、小学校では、英語の活動に4人の指導者が関わることがあるが、中学校では、そこまでできないので、英語嫌いになる子もある。
・山県郡美山町では、中学校の英語教員が、町内全ての小学校の様子を見学に行っている。
A中学校英語科研究会『入門期指導部会』を中心にして、小学校の英語活動の実態をつかもうとしているのは、とてもすばらしい。
B宮田小学校で、英語の直接指導(レインボータイム)で行うことと、英語ソフトを使った情報教育との関連はどうなっているか。
・ 情報教育を通して、子どもたちがコンピューターの操作に慣れ、英語を聞こうとする意欲が高まってきた。しかし、今年度からスタートしたばかりなので、成果については、まだわからない。将来的には、こども一人一人がホームページをもつ方向で進めている。
C小学校で、何を教えるのかを具体化したい。英語を通じて何を伝えようとするのかを大切にし、活動してどう思ったのかをシェアリングする時間をとるといいのではないか。それが、人とのつながりを大切にする場面になると考える。
3.ご指導 大垣市立赤坂小学校 校長 中村 美幸先生
・県の大会として、参加人数が少ないので、もっと多くの人に集まってもらい、意見交流をしていきたい。
より多くの参加を働きかけるよう、今後とも工夫してほしい。
・益田郡宮田小学校の実践では、国際理解教育(英語)の目標が明確である。興味・意欲をもった子どもを育てることが国際理解教育の基本であり、積極的な態度や子どもの良さを大切にすることが、自己表現力につながる。
・他の国の文化を知りたいという意欲なくして、国際理解は成り立たない。英語が話せると、より深く理解できるが、基礎となる興味・関心を大切にしていきたい。
・宮田小学校の「レインボータイム」という名称は魅力的であり、子どもたちが英語の活動を楽しみにしていることがわかる。現在は、各教室で実践されているが、空き教室を活用して、英語教室にしてみるのもよいのではないか。 掲示物等の工夫により、子どもたちがたっぷりと英語の雰囲気に浸ることができるようにするとよい。英語に対する意識を高めるため、レインボータイムが、毎朝位置付けられているのは、すばらしい。
・地区によっては、英語教育に対する取り組みが違い、時間数もさまざまである。それぞれの学校が指導計画等の作成をするのは、たいへんなことである。先進校の実践を共有し、分かち合うシステムを作ることが必要ではないか。小学校でも中英研のような組織を立ち上げるとよい。
・英語教育を推進していくには、校内研修・職員研修が必要である。義務付けられて行うのではなく、教師が自ら研修をしていく時代である。積極的に活動し学ぶ魅力的な教師の姿が、子どもにとっての大きな動機付けになるのではないか。
・歌やゲーム等を中心にした活動で、楽しさ・活発さのなかにも規律を大切にしていきたい。
・中英研の「入門期指導部会」や大垣市立江並中学校の実践では、小学校の実態を考慮していることがよくわかり、敬意を表したい。今後も中学校からどんどん小学校の様子を見に来て欲しい。小学校とのつながりをさらに大切にしていきたい。
・世界に出ると、いろいろな生き方・考え方があることが分かる。自分がそうするかは別として、それもよしと言える心をもてるようにしたい。