民 族
サンパウロは「人種のるつぼ」といわれるほどいろいろな人種が集まっています。
原住としてのインジオと奴隷として連れてこられたアフリカからの人種の他、 ポルトガル・イタリア・スペイン・ドイツ・ロシア・オーストリアなど、 現在ではイタリア系600万、ドイツ系250万人を筆頭にブラジル全土に広がっています。
それだけに、各人種の風習や郷土料理、民族衣装、芸術、建造物など実に多種多様です。
この三体の木彫り人形は、アフリカ系の黒人・原住のインジオ・双方の混血であるバイアーナといわれる人が彫ったものです。
それぞれが彫り方や装飾に特徴があります。アフリカ系の黒人が彫ったという木彫りは、ブラジルの最初の首都であったサルバドールで偶然手に入れたものです。
19世紀初め、多くの奴隷が導入された所だけに、今でも黒人が多い町です。
ポルトガルの植民地時代に築かれた多くの教会や街並みを歩いていると、 南ヨーロッパの街を歩いているように錯覚してしまいます。また、ブラジルといえば多くの人がリオデジャネイロのカーニバルと答えるほどそれは世界的に有名です。
各種の打楽器によるバトゥーキといわれる強烈なリズムにあわせて踊るアフリカ起源のダンスから生まれたのがサンバです。
それにあわせ、三日四晩ブラジル各地で行われるカーニバル(謝肉祭)の中で最大なものがリオです。
ファベイラといわれる貧民窟に暮らす下層階級の人々も
一年の貯えを衣装にあて、異様な色彩と光の幻想の中、情熱のままに踊りあかします。
インカ文明の発祥の地ペルーには、原住民であるインジオが、インカの末裔としてインカ文明を色濃く引き継ぎながら暮らしています。
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幾何学的な模様や鮮やかな色彩を特徴とする毛織物、哀愁に満ちたフォルクローレ、
かみそりの刃も入らないほど精密に組み上げられたインカの石組みなど、
実に興味深いものがペルーにはあふれています。