メソサウルス  

      

 小学校5年生国語(上) 四見方を変えて「大陸は動く」 (教材化第一号)

ウェゲナーが大陸移動説を訴え、それを立証していく過程を取り上げた説明文です。
その記述の中に、移動説を立証する物証の一つとして「化石」があげられています。
2億年前ゴンドワナ大陸が分裂し始め、アフリカ大陸と南米大陸が離れ、大西洋をはさみ現在のような位置にあることをこの化石「メソサウルス」で証明しようとしました(他にも植物や地形などを遣って証明しています)。
メソサウルスは分裂以前にゴンドワナ大陸に住んでいました。かれらはそこで絶滅しますが、化石としてゴンドワナ大陸に残っていました。そのため大陸が移動した現在、アフリカ西部とブラジル東部からまったく同じメソサウルスが発見されています。
すなわち大陸移動説を強力に裏付ける物証というわけです。

ブラジルへの派遣が決まった時点で、この化石を採取し持ち帰ることは自分の使命の一つになりました。

サンパウロ市から200キロほど西に走ったイタペチニンガという町の校外にそのメソサウルスが含まれる地層の路頭があることを、サンパウロ大学に足を運び地質学を担当されている大学教授から教えていただきました。
日本人学校の職員研修の名目で、日本領事館を通し、現地の採掘業者(ブラジルは熱帯に位置し降水量も多く土壌が酸性化しやすいため、石灰岩でできているその地層を採掘し主に耕地の土壌を中和する石灰として出荷します。サンパウロ市郊外のガリューロス空港に降り立った私のブラジルに対する最初の印象も「テラロッシャ 赤い大地」でした。)に連絡をとり採集の許をいただきました。
バスをチャーターし、職員全員ででかけ、ダイナマイトを使った大掛かりな採掘のおかげで、驚く程保存状態の良いものを多数採取できました。


 

地層の全景
地層の拡大(見事な層状をしていました)

当時のサンパウロ日本人学校職員一同
今回の展示の様子