サウジアラビア イスラムとの出会い
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置 物 らくだの皮で作ってあると聞きました。らくだの体の特徴をよくとらえています。 |
石油と砂漠、そしてイスラムの国。残念ながら、この国についての情報は非常に少なく、書店を探し歩いてもなかなか見つかりません。また、観光のためのビザは発行しないため、非常に入国しにくい国です。政治的な情報も制限されています。いろんな意味で、閉ざされた国といえるかもしれません。ここでは、宗教に関わるサウジの姿を紹介します。
サウジアラビアは、聖地メッカ、メヂナをかかえる国だけに、国民の圧倒的多数がイスラム教徒です。そして、例えば飲酒や豚肉食の禁止など、その戒律が社会生活や慣習のすみずみにいたるまで規定しています。
市内の至る所にモスク(寺院)があります。そして、1日5回のサラー(礼拝)があります。この時間になると、各モスクのスピーカーから大音響でコーランが聞こえ、モスリム(イスラム教徒)は仕事を中断し、礼拝にモスクへ向かいます。このサラーの時間は厳格に守られ、官公庁はもとより、すべての商店が閉ざされます。買い物客はその間30分ほど店の外で待つことになります。郊外などモスクのないところでは、メッカに向かって祈ります。砂漠のなかで西日に向かって祈りを捧げる姿は、敬虔な気持ちにさせられます。
女性は外出時「アバヤ」という黒い布をまといます。全身すっぽり覆った人、目だけは出している人などの違いはありますが、顔を出している女性のサウジ人はいません。その他にも、就労や車の運転が認められないなど数々の制約があります。
男女別行動というのもイスラムの教えです。学校はもちろん別学です。結婚式の披露宴も別々に行われます。娯楽施設の少ないサウジにも動物園、遊園地がありますが、ここでも「男性の日、女性の日」と決められており、家族で入園することはできません。
日本人にとっては不思議なことばかりを列記しましたが、イスラムの人にとっては当たり前のことばかりです。宗教・文化・価値観といったものの違いの大きさ、根深さに嘆息しないではいられません。
(林 幸弘)
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サウジアラビアのお金 サウジアラビアの通貨はリアルです。1リアルはおよそ30円ほどになります。1リアルより小さい単位ハララ(硬貨)もありますが、あまり流通していません。 |
サウジダイヤ 水晶の一つといわれます。土漠(土の砂漠)を丹念に探すと原石が転がっていることがあり、それを研磨するとダイヤのような輝きを放ちます。 |
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サンドローズ 砂漠の中から出土する石のことです。バラの花びらのような姿からこの名があります。 |
赤い砂 リアド周辺には、他の地域と異なり、このような赤い砂で覆われた砂漠が所々に存在します。酸化分をより多く含んでいるためといわれます。 |