jissen11

7.実施した授業の概要(11)


第5学年 国語科 毎日をより楽しく「朝の会から」

1 指導の立場
 「聞く」ということは、単に話された「言葉」を解読するということではない。話の中には、言葉だけではないプラスアルファが盛り込まれている。実際の場を思い浮かべればいい。辞書的な言葉の意味とともに、話し手の思いや願いを込めた「体の表情」をも含み、その二つが相補い合って表現されるのが「話す」という行為なのである。したがって、聞き手はその両方を併せて聞き取り、話し手のもつ意図を理解することになる。
 日常生活の中では、用件などの内容だけでなく、話し手の思いや気持ちを合わせて聞き取り、話し手の真の意図をつかみ取ることができなければならない。こういう技能を身につけるために、本教材は話し手の音声の表情にも意識を向けさせて、聞き取るという学習が意図されている。
 日常生活の中で、相手の顔を見て聞くというのは、しつけやマナーの次元から必要とされるからではない。話し手から目をそらしてしまったら、聞き手は話の中の重要な要素である顔の表情、体のしぐさなどが表現しているものを見て取ることができず、聞き取りが不完全になってしまう。機能面からも相手の表情を見て聞く必要性が求められる。
 文章の読解と違って、話すことは一過性のものであり、途中で止めて聞き直すことはできない。特殊な場合を除いて、事前準備や分析などはできないのが普通である。話し言葉の学習には、そういう話し言葉のもつ特質を、体験を通して理解できるように、意図する必要がある。

2.児童の実態
 5年生は、男子2名、女子3名の計5名である。普段複式で授業をしているので教科係を中心として自分達で学習を進めることができるようになってきた。そのため、どの授業でも、作業的な活動はまじめに取り組める。
 国語の授業では、課題にたいして自分の考えをもち発表することはできるがそれを仲間と共に高めていこうとする面でやや弱さが見られる。
 表現力という面から見た児童の姿は、昨年度、マルチメディア機器を利用して東小と授業を始めたころ、自分の考えをもっていてもマイクを向けると何も話せなかった。半年の交流学習を通して、東小との交流授業でも考えを発表したり、資料をつかって話をすることができるようになってきた。

3.研究主題との関り
<表現力の育成>
 表現力を育成していくためには、聞く力、話す力を育成する必要がある。本教材は、聞く力を育成を中心としたものである。ここでは、話の用件や内容だけでなく、話し手の表情や口調にも気を付けて聞く必要があることをゲームを通してつかませたい。
 本時では、顔の表情から相手の心情を読み取るゲームを通して、表情から心情を読み取る力と話し手の方を見て話を聞く意味をつかませたい。本校児童は、掃除などの生活の場面から学習まで常に生活を共にしている。そのため、本校児童同士ではわずかな表情の違いから相手の気持ちを読み取ることはできている。本時では、東小児童の多くの表情を見ることやより豊かに表情を作ることができる児童から自分の表情を作る参考にしたり、相手のことをあまり知らない話し手の表情から心情を読み取る力を付けさせたい。また、状況や表情から想像できることを交流し、東小の多様な考えを聞くことで、表情一つからでも多様な考えがもてることを実感させたい。そして、東小の児童の考えを参考に坂内の児童も自分の経験を元に考えたことを発表し、多くの児童に認められることで、表現していくことの意欲を伸ばしていきたい。

<マルチメディア機器の活用>
 本システムでは、映像をリアルタイムに送ることができる。本時は、両校の児童の顔を大きく写し、その表情から心情をつかませたい。特に、80インチのスクリーンに写された映像からは、細かい表情までつかむことができるだろう。授業の中でのT2とT3の連絡には、システムと別に電話やFAXを利用する予定である。

4.指導計画
jissen11-01.pdf

5.本時の目標(2/4)
 表情当てゲームを通して、ナレーションの状況説明や演技者の表情から、相手の気持ちが分かりそれを想像して話す。
jissen11.02.pdf

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