県内各学校の研究のまとめ(平成15年度)

小川小 潮見小 福地小 佐見小 佐見中 荘川中 白川小 平瀬小 高根小 日和田小 高根中 山之村小中

明宝村(現:郡上市)立小川小学校
特に重点を
 置いたところ
  1. 山間へき地で生活する児童が、教科の授業や、総合的な学習の時間などの中で、コンピュータや、テレビ会議システムの活用を通して、直接見たり聞いたりすることができない事象に触れたり、他校の児童と交流したりする内容や、効果的な交流のあり方を探った。
  2. 先進校の参観や資料収集を行い、環境整備に努めた。
  3. 機器の特性や扱い方、効果的な使用方法について研修を進めた。
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 日常の行事や気候、学習等、幅広い分野での交流ができるようになっている。また、会議の打ち合わせもテレビ会議を利用して効率を上げている。
  • テレビ会議の内容について、年間のどの時期に何を交流するか、学校間で、ある程度の話し合いを持つとよい。
教育的効果
(全般)
  • テレビの前の友だちに向かって、生き生きと話をする姿がみられ、少人数の集団である本校にとっては、色々な人とふれ合える機会となっている。
  • 話す準備をしてからテレビ会議をしたり、その場で話す内容を考えたりして臨機応変に対応する力を育てたい。
機器全般
  • ビデオの延長ケーブルを購入し、ハブのある場所から離れても、テレビ会議ができるようになった。
  • 延長ケーブルにより、距離が長くなることで、画像の色落ちが激しかった。
学校や教員等
の協力・連携
  • 機械操作をする職員、司会担当、子供の支援・評価にあたる者等、役割分担しながら協力・連携して取り組むことができた。
  • 交流により、教育効果が高まる内容について、教員同士が話し合い、決定していくこと。
地域社会等との
協力・連携
  • 交流の様子を、地域の方に見てもらい、学校の様子に関心をもってもらえた。
  • 地域の話題をテレビ会議の内容にする努力をすることで、地域同士のつながりがもてるかもしれない。

八百津町立
潮見小学校
特に重点を
 置いたところ
  1. TV会議システムを利用して、一人一人が自分なりの言葉で積極的に表現し、互いを認め合うことができる学習活動の工夫
  2. インターネットを利用した情報収集活動と、ホームページ作成によるインターネット上への表現活動
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 昨年度中に今年度の活動を計画し、年度当初から見通しを持って進めることができた。
  • 単発的な実践よりも、同じ相手校と繰り返し実践を行い、徐々に効果的な活用ができるようになった。
  • 今までに得てきたノウハウを活かし、より幅広い活用を模索する。
教育的効果
(全般)
  • TVの向こうの相手により分かりやすく伝えるため、具体物や図、移動黒板などを積極的に用いるなど、表現方法を工夫する姿が見られるようになった。
  • 表情が見えにくいTV画面を通しての交流であったため、「分かりました。」「もう一度言ってください。」など、聴く側にあっても積極的に自分を表現するようになった。
  • 他校との合同行事では、事前に何度も話し合い、児童が自分たちで活動をつくりあげることができたため、行事当日も今まで以上に意欲的に取り組む姿が見られた。
  • 教室で行う時にはなんでもないことに長い時間がかかり、活動のねらいに充分に迫れないこともあった。TV会議システムの特性を見直し、交流前に伝達しておくほうが効果的なこと、交流を通して行うのが効果的なこと、交流後にまとめたほうが効果的なことを分類して活動を仕組む。
機器全般
  • 相手校やHUB局との連携を密にし、トラブルを予測したり、トラブルに早めに対処したりすることができるようになった。
  • 児童自らがTV会議システムの操作を自由に行えるようにし、より豊かに表現できるようにする。
学校や教員等
の協力・連携
  • 学校内で行われる行事と同じように、活動の流れや役割分担を明確にして取り組むことができた。
  • 相手校の職員とももっと事前の打ち合わせをしっかりと行い、仕組む活動のねらいを充分に達成できるようにする。
地域社会等との
協力・連携
  • 情報機器を活用して活動する児童の姿を積極的に伝え、それに関わる情報収集活動などに理解と協力を得ることができた。
  • 学習していることに関係の深い人物やその地域の児童とTV会議システムを使って交流し、「教科書から学ぶ」「資料から学ぶ」だけでなく、「人から学ぶ」場を増やす。
その他
  • 小規模校では同じ発達段階の児童の数が少ないため発達に応じた活動を共有しにくいが、TV会議システムを使って他校の同じ学年の友達とコミュニケーション学習をすることにより、のびのびとゲームをしたり読み聞かせを楽しんだりする姿が見られた。
 

八百津町立
福地小学校
特に重点を
 置いたところ
  1. 一人一人が自分の思考を積極的に表現できるための意図的な指導・援助、評価の在り方
  2. 自分なりの言葉で表現できる学習活動の工夫・改善
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 相手校と、事前打ち合わせを行うことで、児童の交流が能率的に進行できるようにした。教科学習では、担任が事前に打ち合わせをして行った。
  • 実践協力校との連携をさらに 密にし、教科や道徳等をはじ め、教育活動全般において交流できるようにする。
教育的効果
(全般)
  • テレビ会議の指導を通して、返事の仕方や「話し方」「聞き方」などの望ましい学び方が育ちつつある。
  • テレビ会議を通して、具体物を示して説明したり、指示棒や移動黒板を利用して発表したりするなど、豊かな表現力が育ちつつある。事前打ち合わせとして、テレビ会議を何回か実践することで、他校との仲間関係が育ち、行事当日の児童の表情や姿からも充実感や満足感が強く感じられた。
  • 交流時における一人一人の児童の発言内容等を個人カルテに記録し、その児童にあった指導・援助を行いたい。
機器全般
  • 交流日には、進んで協力し合い、テレビを移動したり、コードを接続したりすることができた。
  • テレビ画面(レンズ)に向かって話をしたり、近づいたりして、よりよい伝達方法ができるようになってきた。
  • 児童自らが、テレビ会議に関 わる操作(リモコンなど)ができるよう、情報機器活用能力の育成を図る。
学校や教員等
の協力・連携
  • 職員による事前打ち合わせを行い、全体係や記録係などの係分担をした。
  • テレビ会議での話し合いの過程を記録し、終末の評価の場で児童のよさを全体に広めた。
  • 相手校とは、事前の電話連絡を通して、交流内容や時間配分等についての配慮事項を確認し、児童が能率的に実施できるよう連携をとった。
  • ビデオ係もつくり、自分たちの発表の様子を昼の放送で流して、振り返ることも必要である。
地域社会等との
協力・連携
  • 自分たちの地域のよさ(町の様子、方言等)を紹介する時、自信をもってふるさと福地を発表できた。
  • 「町たんけん」では、学校のまわりにある施設(農協、公民館等)について発見したことや調べたことを発表できた。
  • 「方言の学習」では、家族や地域の方々から聞いたことを交流できた。
  • 自分たちの発表を広く地域の方々にも公開していく必要がある。
  • 調べたことを発表する時に、地域の方にゲストティーチャーになっていただくことを考えたい。
その他
  • 画面を通しての伝達方法に工夫が見られた。
      疑似マイクの活用
      ネームプレート(首かけ)
      指示棒や移動黒板の活用
  • 合唱や合奏の交流ができた。
  • テレビ会議のマニュアル作成
  • 年間計画作成

白川町立佐見小学校
特に重点を
 置いたところ
研究主題:自ら学び,個性豊かに表現できる児童の育成
  1. 自らの学習課題を解決するにあたって,情報を選択し活用できる。
  2. 学習や活動の成果や経過をテレビ会議等によって交流を図り,学習や活動の足跡を確かなものとする。
  3. 児童の学習にふさわしい教育用コンテンツの作成と収集に努め,情報技術の効果的な教育への活用の仕方を研究する。
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 生活科や総合的な学習の時間で活用を推進したことにより、教育活動の多様な分野で次世代ITの活用の幅が広がった。
  • 生活科や総合的な学習の時間だけでなく、他教科の活用を含めて総合的・効果的に活用をすすめていく必要がある。
教育的効果
(全般)
  • 相手意識を持ち、伝えたいという子どもの学習意欲が高まり、まとめる思考・判断力、コミュニケーションスキルが向上した。
  • 確かな学力をつける観点から、主体的な問題解決等への態度の育成、学び方や考え方の習得、知識・理解・技能の観点をもとに、テレビ会議システムを中核に位置づけた年間指導計画の作成する必要がある。
機器全般
  • デジカメなどの映像機器を活用しデータを取り込むことができた。
  • 校内LANを活用してデータを共有し編集して、プレゼンテーションの資料を作成できた。
  • 資料をパソコン画面やプロジェクターで映し出したり、プリントアウトして、発表することができた。
  • グループウエアの環境が未整備なため十分に活用できなかった。
学校や教員等
の協力・連携
  • 児童のコンピュータリテラシー習得の時間を教育課程上に位置づけ、各学年に応じた活用能力を身につけさせるように指導できた。
  • 職員室のサーバーを校務分掌上の仕事で使うことが多くなり、次世代ITを使いきることができるようになった。
  • 岐阜県の学校間総合ネットの活用の在り方を教員が正しく捉え、効果的な活用をしていく必要がある。
  • NTサーバー、クライアントのネットワーク環境を、最良の状態で維持して活用するには、堪能な職員が必要である。
地域社会等との
協力・連携
  • 学校の教育方針や児童の活動の様子等を地域社会に向けて発信することができた。(プレゼン・ホームページ)
  • 教育活動内でのIT活用に関する地域の協力者は、仕事の関係上皆無に近い。
その他    

白川町立佐見中学校
特に重点を
 置いたところ
研究主題生徒一人一人が自分の思いを豊かに表現する力の育成
〜情報活用能力を身につけ、個性豊かに表現できる姿を求めて〜
  1. テレビ会議システムを活用した授業
  2. ホームページによる情報発信
  3. パソコンを活用した授業の推進 
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 主題研究として実践を推進した。それにより、テレビ会議も含めた情報機器の活用のしかたについて、学習指導法の視野を広げることができた。
  • テレビ会議授業は人員が2〜3名必要である。(授業者、機器の操作係、記録係)▼・事前打ち合わせは必要である。▼・互いのメリットとなる授業を企画することが成功の鍵となる。
教育的効果
(全般)
  • 教科や総合的な学習の時間において次世代ITを活用できることにより、生徒の活動意欲がいっそう高まった。
  • テレビ会議の相手校を探すために、各校の特色を知るものがあると便利である。(ホームページ等)
  • テレビ会議では、相手校との都合を合わせるために、早めの打診、早めの連絡調整が大事である。
機器全般
  • テレビ会議授業において、2台目のカメラとしてビデオカメラ、実物投影機等を併用した授業を開発できた。
  • 他の授業でもノートパソコンとプロジェクターを活用した効果的な発表が増えた。
  • 情報機器使用時間の調整表の改善が必要である。
学校や教員等
の協力・連携
  • 教員異動があっても、機器の操作法、ソフトの活用法など、互いに教え合って実践を推進できた。
  • 機器の不調への対応のしかたや予期せぬトラブルの防止策の研修も大事である。
  • ネットワークシステムにも通じた情報処理技術に堪能な職員の存在は必須である。。
地域社会等との
協力・連携
  • 参観日や学習発表会の機会を利用して、また、公表会を開いて、次世代IT活用の様子を公開できた。
  • 学校ホームページの更新を積極的に進めるための組織を整備しなければならない。
その他    

荘川村立
荘川中学校
特に重点を
 置いたところ
 生徒の情報活用能力向上のあり方を明らかにする。また、それらを取り巻く社会教育施設などとの連携のあり方を明らかにする。
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 3カ年を通じて、生徒・教師のリテラシーが飛躍的に向上した。
 
教育的効果
(全般)
  • 総合学習や社会・理科・国語などの授業でインターネットを利用して、調べ学習が行えるようになった。また、インターネットと図書資料とを場合によって使い分けながら利用することができるようになった。
  • 学校間交流によるTV会議システムの利用によって、遠隔地の生徒と意思疎通をしながら課題解決に向かうことができた。
  • 生徒ひとり一人のコンピュータリテラシーのなかのモラル的な部分をどう高めていくか。
機器全般
  • 高速回線を利用できるようになって、個々の生徒が時間内に十分に課題について調べることができた。
  • TV会議システムを教師同士の打ち合わせ等にも利用し、意思疎通をスムーズに図ることができた。
  • 教科、選択、総合的な学習のためのTV会議交流の方法を模索していく。
  • 学校間のみならず、専門家等とTV会議を利用して交流する方法を模索する。
学校や教員等
の協力・連携
  • 全職員協力の下、さまざまな学習活動においてITを活用することができた。
  • トラブルがあったときの対処が課題である。職員がそのことにつきっきりになってしまうことがあった。
地域社会等との
協力・連携
  • 村IT講習等で多くの方に機器に触れてもらう機会ができ、村全体としてのコンピュータリテラシー向上に寄与できた。
 
その他
  • 昼休みにパソコン室を解放することでここの生徒の基本操作力やソフト操作力が著しく向上した。
  • 文化祭や3年生を送る会などにパソコンを使って発表などができるようになった。
  • インターネット環境は日進月歩で進化している。学校でその進化にどのように対処していくのか、大きな課題と言える。

白川村立
白川小学校
特に重点を
 置いたところ
自ら学び、進んで人とかかわる子の育成
〜情報機器を活用し、相手意識を持って発信できる子をめざして〜
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 授業時間に限らず、休み時間での活用もあり、授業削減とならなかった。
  • 一方的な発表にするのではなく、両校の発表を行うことで、両校の学びとなった。
  • 両校での意見交流を行ったことで、少人数学校である白川にとっては、考えの深まりにつながった。
  • 漁師さんの生出演のように、TV会議だからこそできた授業があった。
  • 個において必要な情報をそれぞれが獲得できた。
  • 事前に略案を交換し合って、授業の流れを確認し合うとより効果的である。
  • TV交流の時間だけではなく、メールを活用して打ち合わせをしたり、子供同士で授業の計画を立てさせると、さらに主体的な学習となる。
  • 相手の様子のみを映すのではなく、板書を映すなど、授業に効果的な進め方ができないか。
  • 情報の入手方法を、あらかじめプリントしておき、子どもが調べやすくしておくとよい。
  • 台風については、過去のものを使うしかない。(台風が来ているときに使いたい。)
教育的効果
(全般)
  • 教科書では学ぶことのできない貴重な場を得ることができた。
  • 他校の子どもたちの考えを知ることで、自分たちの考えを深めることができた。
  • 相手意識を持って調べ、発表することができた。
  • 自分のほしい情報を得られ、まとめに効果的に活用することができた。
  • 今起きている事実を教材として使うことができた。
  • 主体的な授業とするためには、TV交流までに事前に子供同士で授業の内容、質問事項などを連絡し合うとよい。
機器全般
  • プロジェクターにつないで、大きな画面で学習することができた。
  • パソコン本体、ネットワークなどに卓越した人材がいると、トラブルが起きた時に対応できる。
  • 来年度以降も、TV会議システムを活用できないか。
学校や教員等
の協力・連携
  • 授業交流を積極的に行い、TV交流学習の仕方について高め合いができた。
  • TTで行うことにより、授業を効率よく進めることができた。
  • 教師だけでなく、子どもにも参観させ、学び合いができるとよかった。
地域社会等との
協力・連携
  • 地域の人材を活用し、より学習を深めることができた。
  • 保護者や教育委員会の方にTV交流授業を参観していただき、理解を深めていただけた。
  • もっと多くの方に、地域の人材として出演していただいたり、見ていただく機会を増やせたりするとよかった。
その他
  • TV画面だけの交流で終わらず、デジカメを使った授業、プレゼンテーションを使った授業と関連させてTV交流授業を行うことができた。
  • 昨年度までは発表形式による内容であったが、今年度は授業をより効果的に行うための素材として活用でき、深まりのある学習につながった。
  • へき地、小規模校である本校にとってはTV会議システムは、様々な場面において有効であった。その点から、来年度以降もTV会議システムを活用していきたい。
  • パソコンを使うときのマナーの徹底を授業で扱うとよい。

白川村立
平瀬小学校
特に重点を
 置いたところ
「情報及び情報手段を主体的に選択し活用していく子の育成」
 同一村内の小学校の児童がコンピューターを情報収集や、表現手段のツールとして活用し、物事を主体的に探求できる子の育成をめざして以下の3つの観点を中心に子どもの能力を育成していく。
  1. 情報の収集能力(情報の重要性の認識、情報に対する責任感、情報の判断、選択)
  2. 情報の整理・加工能力(基本的な操作、処理能力及び情報の創造)
  3. 情報のコミュニケーション能力(情報の伝達能力の育成)
 また、学校においては次のような視点を持ち、全職員共通理解のもとに取り組む。
  • 教師自身の情報活用能力を育成する。(わかる授業のための資料の収集と活用)
  • 総合学習の時間等特別な時間の柔軟な設置。(他教科との関わりを含めて)
  • コンピュータを道具化する視点と方策を明確にする。(…メディアの一つとして位置づけ,他のメディアと一緒に活用する。)
  • インターネット、メール環境の活用を図る。(授業での効果的な使用や他校との交流など)
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • TV会議システムを利用した交流については、4月の段階でねらいを明確にし、指導計画を立てて取り組むことができた。
  • 昼休みの時間を利用することで、お互い学校の時間数にとらわれることなく、自由に交流をすることができた。
  • 本校では、総合的な学習の時間として情報学習の時間を10時間位置づけているが、その内容であるインターネットやメール学習で、有効に利用することができた。
  • テレビ交流の場が、たんなる発表の場になることが多く、もっと自由に会話ができるような交流のあり方を考えていく必要があった。
  • 交流校が少なく、授業の中に位置づけるにも難しさがあった。
  • 交流校との話し合いが密にできなかったため、交流内容やねらいが深まらなかった。もっと、計画的にできるようにするとよかった。
教育的効果
(全般)
  • 2年間の実践の中で、子どもは操作も覚え、楽しんで交流することができた。
  • 他校との関わりが少ない中で、画面を通してではあるが交流したことは、よい経験になった。
  • 低中学年では、同村・同郡内の小学校の子どもと交流することで、世界を広げたり、親睦を深めたりするよい機会となった。また、高学年では、遠くの地域との交流をしたことで、新しい発見をしたり、自分の住んでいる地域と比較して考えることができたりするなど、テレビ交流ならではの学習ができた。
  • 低学年では、テレビだけの交流ではなく、同村内にある白川小学校にバスを利用して行き、一緒に遊ぶという交流につなげることができた。
  • 相手意識や方法意識を考えてテレビ交流をしたことで、「伝え合う」という国語の研究にもつながり、子どもの力になった。
  • 調べ学習の中で、調べる方法の選択範囲が広がった。また、子ども達も、本やインターネットなどの調べる方法を自分で選ぶことができるようになった。
  • 授業の中で利用していこうと考えていたが、うまく利用することができなかった。
  • テレビ交流では、相手の反応を楽しみながら、意欲的に話したり、活発に行動したりする姿が見られるが、実際に会って交流したときは、恥ずかしさもあってか消極的な姿が見られた。やはり、画面上というバーチャルな世界だけでは、コミュニケーション能力を身につけさせるのは難しいと感じた。
機器全般
  • デジタルビデオカメラを使い、ズームや撮影位置の移動をスムーズに行えるようにしたり、テレビをモニタ用にもう1台使い、自分たちがどう映っているか確認できるようにしたりと、学校の備品を組み合わせて利用することで、テレビ交流をスムーズに進行することができた。
  • 実践の積み重ねによって、子どもが自分でカメラを扱えるようになってきたので、その分、教師の動く範囲が広がった。
  • 機器の設置や操作方法を全職員が理解できるようにするために、研修を数回行ったり、マニュアルを作る必要があった。
  • 交流するときに、故障していて使えなかったり、天気が雨や雪で電波が弱く途中で音声や画像が切れてしまったりすることがあった。事前に確認するために、早めにつないでおいたり、HUB局に連絡をして接続状況の確認をするなどの準備が必要であった。
学校や教員等
の協力・連携
  • 3〜6年生では、総合的な学習の時間として時間数を確保しておいたことが、よかった。やはり、テレビ交流を進めていくためには、準備などに充てる時間の確保が必要である。
  • 自己紹介や遊び、発表などの交流では、どちらが主として進めていくかをはっきりさせておけば問題はないが、授業の中で生かしていこうとすると綿密に打ち合わせをする必要がある。
  • 交流校との打ち合わせで、なかなか時間がとれなかった。打ち合わせでも、TV会議システムを利用するなど工夫をして、綿密に計画を立てていく必要があった。
  • 撮影や進行、指導など、教員1人では大変なので、特に低学年の時は、2人以上の教員が必要である。
  • 担任以外の教員は、いつ行われているかが分からないまま進行していたので、打ち合わせなどで連絡をする必要があった。
地域社会等との
協力・連携
 
  • TV会議システムがあることなどをもっと知ってもらうと良い。
その他
  • 今後の機器利用として、村の光ケーブルを利用することで、白川小と平瀬小同士でテレビ交流ができないか検討している。実現すれば、両校合同で行う社会見学や修学旅行の打ち合わせや、授業を含めた交流などで活用していきたい。
  • テレビ交流の楽しさや有効性については、実践してみてよく分かったが、なかなか活用をしていくことはできなかった。その原因としてあげられるのが、
    1. 実践する時間の不足
    2. 交流校の少なさ
    3. 教科で活用していく技能の不足
    4. 機器操作や打ち合わせなどの煩雑さ
    である。もっと、効果的に活用するためには、電話のように、手軽でどの学校とも交流できるようなシステムが必要であると考えられる。

高根村立
高根小学校
特に重点を
 置いたところ
自己紹介や学校、学級紹介を通して交流を深め視野を広げる。
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 昼休み時間を活用し、学級間交流を中心に行った。
  • 自校以外の仲間に接し、視野を広めることができた。
  • 実践が点で終わり、広まりなかった。
  • 理科、社会科等での活用が十分できなかった。
教育的効果
(全般)
  • 他校の児童とも積極的に交流しようとする姿勢が育った。
  • 相手校が限られ、交流回数も少なかった。
機器全般
  • 機器の操作等、スムーズにできるようになった。
  • 天気の悪い日には通信状態がよくないのが欠点。
学校や教員等
の協力・連携
  • 機器の操作に堪能な職員を中心に、協力的に実践できた。
  • 学級間交流になり、担当者任せになった。
地域社会等との
協力・連携
 
  • 地域の各種団体にも広く紹介し、積極的に活用することができなかった。

高根村立
日和田小学校
特に重点を
 置いたところ
情報を自ら考え、主体的に発信していく子の育成
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 昨年度から交流していた学校と継続してテレビ会議をすることができた。
  • 学校行事などの交流ができ、他校の様子などがよく分かった。
  • 県内の学校との交流はできたが、県外の学校や海辺の学校などと、さらに交流ができるとよかった。
  • 学校行事などと重なり、時間の調整が難しかった。
教育的効果
(全般)
  • 自信をもって伝え合うことや、わかり易く話す工夫など、相手意識をもって取り組むことができた。
  • テレビ会議を通して、友達ができ、テレビ会議を楽しみにしている児童が多くなった。また、日和田農園で育てたトウモロコシを送り、アンケートに答えてもらうなど、総合的な学習の課題追究にも役立った。
  • テレビ画面の相手に話すということで、声の大きさや相手の状況などがややつかみにくいところがある。自分が話している声がどのように聞こえているのかがもう少しはっきり分かるよう事前に練習するとよかった。
  • 絵や図など資料提示がやや見にくいところがある。画面の映像がもう少しはっきりするように工夫するとよかった。
機器全般
  • 教師と児童が機器を操作しながら、意欲的に取り組む姿がみられた。
  • 事前の準備などに時間がかかり過ぎるところがあった。テレビ会議が直前に延期になったこともあり、教育センター内のハブ局との調整が難しい。
学校や教員等
の協力・連携
  • 操作方法など、担任で共通理解を図りながら、うまく連携して活用することができた。
  • 操作方法が不十分な教員もいるので、情報主任を中心に研修を深め、共通理解をして進めることが必要である。
地域社会等との
協力・連携
  • テレビ会議の内容をホームページや通信で紹介していった。
  • テレビ会議の紹介や交流内容を地域の方にもっと伝えていくとよかった。

高根村立高根中学校
特に重点を
 置いたところ
児童生徒一人一人の情報を活用する力、自己を表明する力の育成のための効果的なIT活用のあり方を明らかにする。
  • IT活用による児童生徒の興味、関心を高め、わかりやすい授業の実践
  • IT活用による自ら学ぶ力を高める学習の実践
  • IT活用による学校と地域との連携、開かれた学校の実現
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 生徒の興味関心や知りたいという気持ちを大切にした実践を進めることができた。
  • 一部の担当職員だけでなく、多くの職員が衛星通信に関わる知識、技能を習得していくことでより多様な実践を行うことができたと思われる。
教育的効果
(全般)
  • 生徒の個人課題や、疑問点を解決するためにITを利用することにより、生徒の活動に対する興味関心が高まってきた。
  • 遠隔地に共通する取り組みや課題を持つ学校を探していくことが難しい。
機器全般
  • メンテナンスフリーで、順調に稼働した。
 
学校や教員等
の協力・連携
  • 職員の持つ技能の中で実践を交流し合うことができた。
  • 操作方法が不十分な教員もいるので、情報主任を中心に研修を深め、共通理解をして進めることが必要である。
地域社会等との
協力・連携
  • 村のホームページによる課題解決の中で、場合によっては役場の取材などに発展していった。
  • 地域の方の実技指導を受けることができた。
  • 地域の中で、IT設備のあるところが限られており、連携をどのようにどのような内容で進めていくのかに課題を残した。

神岡町(現:飛騨市)立
山之村小中学校
特に重点を
 置いたところ
全学級が、総合的な学習で得られた成果などを定期的に他校とTV会議で交流し、児童生徒の情報活用能力や表現力を一層伸ばす。
 項 目 <成果> <課題>
実践の進め方
  • 全学級がテレビ会議を行うことができた。(1年次からの課題をクリアできた。)
  • 事業の終了後も、何らかの形でテレビ会議の実践を継続すること。
教育的効果
(全般)
  • テレビ会議で付けたい力を明確にし、意図的計画的な実践を継続することで、児童生徒の表現力や情報リテラシーが向上した。
  • 身につけた表現力や情報リテラシをーの定着・向上発展を図ること。
機器全般
  • デジカメ、インターネット、ワープロソフト、プレゼンテーションソフト等を総合的に活用できるようになってきた。
  • 児童生徒自身が機器を操作して、昼休みなどにも気軽な交流ができるとよい。
学校や教員等
の協力・連携
  • 定期的に交流している学校へこちらから訪問し、親交を深めるとともに、いっそう意義のある交流ができるよう話し合うことができた。
  • 今後県外との交流は難しいかもしれないが、県内の交流校を見つけ、協力・連携を深めるとともに、できれば児童生徒が相互に訪問しあう経験もさせたい。
地域社会等との
協力・連携
  • 情報教育の成果を発表会で披露することができた。
  • 光回線を、学校へ訪れる地域の方にも活用していただきたい。
その他  
  • まずは県内の交流校を探す。小規模な学校で、自然環境の異なる学校がよい。

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