県内の研究のまとめ(平成14年度)

  成果 課題
実践の進め方
  • 校内研究の一環として実践を推進したことにより、テレビ会議も含めた情報機器の活用のしかたについて、教育活動の様々な分野で学習指導法の幅を広げることができた。
  • 交流の相手校の状況や要望をつかみながら、互いの研究の方向や学習の進度等の調整を図るのがむずかしい。また、互いに学習効果を高めることができる工夫はないか、研究を深めていく必要がある。
  • 教科や領域をしぼって実践を深めた学校では、その成果をもとに、さらに教科や領域を広げるようにできるとよいが、研究の焦点がぼけないよう留意する必要がある。
教育的効果全般
  • テレビ会議システムで、遠隔地の他校の様子がリアルタイムに映し出されることがよく、特に地域の違い(気候、動植物の様子など)が、自分たちの地域や相手校の地域への強い興味関心につながり、やがて教科のねらいにそったものへレベルアップしてきた。また、インターネットで快適に調べることができ、調べる方法の選択肢が広がり、さらに、目的に応じて調べる方法を選ぶことができるようになった。こうしたテレビ会議システムやインターネットの活用が僻地小規模校というハンデイを補った。
  • 表現力を「聞く力」「話す力」「話し合う力」として系統的に指導することと、テレビ会議システムの特性と活用の意図を洗い出すことによって、相手の話すことを理解できる児童生徒が増え、それにともなって発言内容が当を得るようになり、自信をもって話すことができるようになった。
  • テレビ会議システムで、児童生徒の興味関心がある内容を取り上げること、適度な緊張感のある交流を繰り返すこと、他校の表現の良さを取り入れること、聞き手の反応を確かめながら話すこと、相手にわかってもらうための工夫を考えこと、具体物(写真・絵・楽器等)を効果的に用いることによって、児童生徒は自信をもって話すようになった。
  • 近辺の学校と共通する目的で交流することで、目的の活動に対する興味関心が高まるだけでなく、視野が広がった。特に同村内の小学校同士で交流することにより、児童相互の関係が深まりった。同じ中学校へ進学するため、交流を深めることがこれからも必要となる。
  • 自校のホームページを授業に生かし活用することが出来た。また、リンク集から興味を持って調べることが出来た。
  • 今年度は他校と交流を深めることがメインとなったが、来年度は授業の中で生かしていきたい。そのためにも、テレビ会議やインターネットが、どんな授業で効果的に使えるのかもっと研究していく必要がある。また、実践によりつけていきたい力を共通化していく必要がある。
  • 自校内では活発に意見交流できても、テレビ会議になると表現が消極的になる。また、意見の深まりに甘さがある。児童の発達段階に応じた指導の仕方を検証する必要がある。また、能率的な学習推進のために、課題解決に必要な情報処理の力をいっそう高めなければならない。
  • 交流校の子どもの名前、顔をなかなか覚えることが出来なかった。昼休みや放課後など、自由度の高い交流を取り入れていってもよいのではないか。さらに、衛星通信を活用しながら他校の子と積極的に関わる力を育てたい。
  • 遠隔地に共通する取り組みや課題を持つ学校をみつけるのが難しい。
  • インターネットの活用において検索のテーマによっては、子どもがうまく必要とする資料を見つけられず、教師の下調べが必要な場合もある。また、児童用のWEBページが少なく、情報を読みとる事が難しい。さらに、図書等の従来の指導の仕方との検証が必要である。また、児童生徒の情報モラルの育成をどう図るかが課題である。
機器全般
  • テレビ会議を進めるのに必要な機器を洗い出すことができ、環境整備を進めることができた。また、その特性や扱い方、効果的な使用方法について研修を進めることができた。また、LANケーブルやAVケーブルの延長により、コンピュータ室以外の場所での交流ができた。
  • テレビ会議システムにデジダルビデオカメラを併用することで、ズームや移動がスムーズにできた。
  • 4月当初に使い方の研修を行ったことで、情報担当が常時つかなくても利用できるようになった。また、機器の操作法、ソフトの活用法など、互いに教え合って実践を推進できた。また、実践の積み重ねによって、子どもが自分でカメラを扱えるようになってきたので、その分、教師は授業の本質にかかわることができた。
  • プロジェクターによる発表の機会を数多くもったため、これらを活用して効果的な発表をする児童生徒が増えた。
  • 小規模校のため学級の児童数以上のPCがあり、高速回線を利用できるので、個々の生徒が時間内に十分に課題について調べることができた。
  • 児童のPC操作を指導する時間を位置づけ、各学年に応じた活用力を身につけさせるように指導できた。また、昼休みにパソコン室を解放することで個々の生徒の基本操作力やソフト操作力が著しく向上し、コンピュータ室のパソコンやスキャナ、プリンターの使用頻度が増加した。
  • 天候により接続状況が左右されるため、直前になって交流授業が中止になったことがあった。HUB局ともっと連絡を取る必要がある。
  • デジカメやスキャナ等を利用して画像を挿入する等、児童自らがいろいろな機器を利用できるよう指導していく必要がある。一方、児童が活用すればするほど、デジタルカメラやスキャナなどの使用頻度が高まり、現状では対応しきれない事があるので、情報機器使用時間の調整表作成が必要になってくる。
  • 職員がほぼ3年で異動し、機械操作に堪能な職員が育ちにくく、高度な操作(ビデオ等を使ったり、各種のソフトを応用したりした操作)と、それに応じた活動が十分できない。また、運営管理をしていく人材をどうやって育てていくかが課題である。日頃より、機器のトラブルの対応や防止等の研修の積み重ね、マニュアル作りが必要である。また、児童生徒がテレビ会議システムを操作できるようにするのも一法である。
学校や教員等の協力・連携
  • 定期的に交流できる相手校が見つかり、直接会うことも含め、今後の交流について意見を交流することが効果的であった。こうして、交流の目的や方法を明確にして、綿密な打ち合わせを行ったため、テレビ会議当日の進行が順調で、意義あるものになった。
  • 職員会の場などで共通理解をし、計画的に取り組んだ。担任教師だけではなく、他の教員がTTで指導にあたったり、機器操作の補助にあたったりして、役割分担しながら協力・連携して取り組むことが効果的であった。こうして、各学級の児童の実態・課題に即して、全職員が取り組むことができた。
  • 実践協力校を拡大していく必要がある。
  • テレビ交流では、1人で行うのは大変なので、2人の先生で行えるよう、事前に役割等を打ち合わせておく必要がある。特に、低学年では、操作担当者が1人ついたほうがよい。
  • 交流校との打ち合わせで、なかなか時間がとれなかった。テレビ会議システムを利用するなど工夫をして、綿密に計画を立てていきたい。また、交流校へ訪問し、親交を深めるとともに、いっそう意義あるものにするために話し合う必要がある。
地域社会等との協力・連携
  • テレビ会議に地域の方に参加していただいたり、参観日・学習発表会や学校評議員会にテレビ会議を公開したりして、その有効性を確認いただけた。また、感想、意見をいただき、児童の励みとなった。
  • 学校の教育方針や児童の活動の様子等を地域社会に向けて発信することができた。(プレゼン、ホームページ)
  • 地域社会との連携についてどんな内容をどのように行っていくのかを検討していく必要がある。そのためには、IT活用について、より地域社会に積極的に情報を提供していく必要がある。
  • 学校でのITにおける環境と家庭や地域での環境では格差が大きい。
その他
  • 昼休みの時間を利用することで、お互い学校の時間数にとらわれることなく、自由に交流をすることができた。また、昼休みということで、他学級の子どもも交流の様子を見学することができたので、その後の交流がしやすくなった。
  • 先進校視察により学校間ネットワークについて理解を深めることができた。
  • SE派遣は技術向上に大いに役立った。
  • 土曜日に衛星回線が使用可能になって生徒たちもさらに意欲的にパソコンを活用するようになった
  • 目的にあった継続的な活用方法の検証が必要である。
  • 事業終了後も、テレビ会議による交流を何らかの形で継続していきたい。

= 戻る =