教育委員会月報(2001.3)
教育委員会月報(2001.3)

岐阜県の学校におけるコンピュータ、インターネットの整備

〜「21世紀『岐阜県型』情報教育推進プロジェクト」の推進〜


1 コンピュータ等の整備状況
 本県においては、教育用コンピュータ整備を段階的に進めるとともに、高度情報通信社会に対応するため、平成8年度までに各学校に1台ずつ、インターネットに接続できるコンピュータと通信回線を設置した。
 また、県教育委員会では、県図書館を中心とした教育情報ネットワーク(通称、SMILE)を構築し、県立学校及び市町村の社会教育施設から書誌情報、生涯学習情報が収集できるようになった。その後、段階的にその他の県内教育機関(情報処理研修室や総合教育センター、スポーツプラザ、教育用ソフトウェアライブラリセンター等)も専用回線で結び、多様な情報が提供できるようにネットワークを拡充した。

2 社会の急速な情報化
 日本および世界の急速な情報化が進む中、平成11年12月に、以下のような趣旨で「ミレニアム・プロジェクト『教育の情報化』」が発表された。

  1. 2005年度末までに、「すべての教科」の「すべての授業」において「すべての教員」がコンピ ュータやインターネットを活用できる状況の実現。

  2. コンピュータやインターネットを使うことによって、各教科の授業をすべての子どもたちにと って「分かるもの」にすること。
 また、新学習指導要領においても、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段の積極的な活用を求めている。このような状況のもと、本県は、県内のすべての学校を視野に入れた総合的・計画的な情報教育の推進および情報基盤の整備に着手し、情報社会に対応した教育環境の充実を図ることとした。

3 事業内容
(1)事業名
 「21世紀『岐阜県型』情報教育推進プロジェクト」

(2)目的
 ミレニアムプロジェクト「教育の情報化」の実現に向け、「安心」「快適」「高速」なネットワーク環境を整備し、すべての教室のあらゆる授業でコンピュータおよびインターネットを活用した「分かる授業・楽しい授業」を実施できるようにする。

(3)事業内容
@校内LAN整備  校内LAN及びLANアクセス用パソコンを整備し、「2005年度までに、すべての教室のあらゆる授業において、インターネットが活用できる環境」を実現する。
A教育用パソコンのネットワーク化  平成15年度から始まる高等学校の新教育課程において、新教科「情報」の授業が実施できるよう「教育用コンピュータ」等を更新する。
B学校間ネットワークの構築  児童生徒が安全に、しかも快適に情報交流できる学校間ネットワークを構築する。
C教育用コンテンツの開発・収集及び提供  整備するネットワークを有効活用し、児童生徒に質の高い教育用コンテンツを継続的に提供できるシステムを構築する。
D児童生徒の障害の種類に応じて活用できる情報機器の整備  「弱い人に力を」を学校現場から推進するため、障害に応じた機器整備を進めハンディキャップの克服に努める。
E教員の情報活用能力を向上させる研修の体系的な展開  児童生徒を指導する教員の情報リテラシーを一層向上させるため、総合教育センター等において、多様な研修講座を展開する。

4 今後の方針と課題
 今後、当プロジェクトの推進に当たっては、「21世紀『岐阜県型』情報教育推進プロジェクト構想検討会」および「岐阜県IT戦略会議」等からの意見を参考に、柔軟かつ積極的に取り組んでいく予定である。また予算面では、文部科学省の補助事業等による財政支援を引き続きお願いしたい。さらに、「学校間ネットワーク」や「校内LAN」等が整備された折には、「分かる授業・楽しい授業」の実現は勿論のこと、「校務の情報化」や「開かれた学校」の実現に取り組んでいきたい。  また、ネットワークの維持管理や適正な活用等に関して、システムの改良やシステム管理者の設置、教育用コンテンツの充実、各学校のネットワーク管理者の研修など、今後解決すべき様々な課題が予想される。それらの課題を関係諸機関と連携し、一つ一つ解決していきたいと考えている。


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