岐阜県総合教育センター
柿

不登校対策の手引き

【三訂版】

岐阜県教育委員会では、不登校対策の一環として、学校の教育相談体制の充実を願い平成16年3月に「不登校対策の手引き 心のキャッチボール」を作成・発行し、平成19年3月に改訂しました。初版・改訂版ともに各学校に冊子として配布しました。

今回の三訂版については、各学校に冊子として配布するとともに、校内研修会等でより活用しやすいように、本県総合教育センターのHPに掲載することとしました。

改訂に当たっては、次の点に留意しました。

  • 不登校や教育相談に関する基本的な考え方は、不易なものとして初版を踏襲する。
  • データを更新したり内容を付加・修正したりして、現状に即した内容とする。
  • 参考となる資料や学校・市町村教育委員会における取組例を、【参考資料】として加える。

本資料で紹介しました不登校対策についてのポイント等を参照していただき、各学校における日々の取組にぜひ役立ててください。

<印刷用目次>

第1節 不登校及び不登校対策に対する正しい理解のために
          ・・・不登校を「ひとくくり」にしてはいませんか?・・・

学校には「みんな」という名前の児童生徒はいません。私たちは、児童生徒を前に「みんな分かりましたか?」と語りかけることがありますが、一人一人に名前があるように、どの子にもその子なりの思いや願い、心のしくみがあります。このことを教育の根底に置かないかぎり、一人一人の心に響くように働きかけることはできません。

不登校も同じです。生育歴も環境も個性も違う児童生徒が、「どの子も同じ」であるはずはないのです。

Q1 : 不登校って何ですか。
Q2 : 不登校の現状や推移はどのようになっているのですか。
Q3 : 不登校の主な要因や背景にはどのようなものがありますか。
Q4 : 不登校のきっかけや継続要因にはどのようなものがありますか。
Q5 : 不登校の態様に応じた基本的な対応のポイントは何ですか。
          【参考資料】マズローの欲求階層説
Q6 : 不登校対策についての5つの大切なポイントとは何ですか。

第2節 不登校児童生徒のための機動力ある支援体制づくりを
           ・・・担任の情熱だけで不登校を解決しようとしていませんか?
                      学校としての体制づくりは進んでいますか?・・・

不登校の背景には様々な要因があります。生まれ育った生育歴や本人のもつ資質や発達課題、また、とりまく人間関係(親子関係、家族関係、友人関係、教職員との関係)など、とても担任一人で抱え込むことは不可能なほどの多くの要因です。単に学校へ登校させることだけを目標にするのではなく、その子の社会的自立をめざすことが再登校へ結びつく支援となります。そのように考えるとき、複数の支援者による意図的・計画的で多様な関わりが必要となってきます。担任の情熱だけで不登校を解決することはますます困難になっています。

一人一人の不登校児童生徒への、効果的な支援を生み出すための体制づくりを推進していくことが必要不可欠です。

Q 7 : 「学校の教育相談体制の確立」はなぜ必要なのですか。
          【参考資料】学校の教育相談体制
Q 8 : 教育相談主任はどのような役割を果たせばよいのですか。
Q 9 : 機動力のある教育相談体制づくりのための校長・教頭の役割は何ですか。
Q10 : 養護教諭の役割は何ですか。
Q11 : 保健室の整備のポイントは何ですか。
Q12 : 毎日の健康観察とはどのようなものですか。
Q13 : スクールカウンセラーとの連携のポイントは何ですか。
          【参考資料】スクールカウンセラーの役割
          【参考資料】平成22年度スクールカウンセラー等活用事業 配置方法変更の意図について
Q14 : 教育相談委員会が機能するためのポイントは何ですか。
          【参考資料】ケース会議を充実していくために
          【参考資料】石隈・田村式「援助シート」「援助資源チェックシート」
Q15 : 教育相談室の役割と整備のポイントは何ですか。
Q16 : 保護者との連携はどのように図ればよいのですか。
          【参考資料】不登校・変容過程の一つのモデル
Q17 : 関係機関との連携はどのように図ればよいのですか。
          【参考資料】不登校対策連携マップの例
          【参考資料】岐阜県内教育支援センター(適応指導教室)開設状況
          【参考資料】羽島市「専門家や関係機関等と連携した取組」の紹介
          【参考資料】多治見市「第三者機関と連携した取組」の紹介
Q18 : 再登校のきざしがみえた時どのようなことに配慮して支援すればよいのですか。
Q19 : 学校復帰を始めた時どのようなことに配慮して支援すればよいのですか。
          【参考資料】よりよい人間関係づくりのための心理教育技法

第3節 新たな不登校を出さない日常の指導を
           ・・・児童生徒の心のサインを見逃していませんか?・・・

児童生徒が不登校になってからの事後的な不登校対策に偏っている場合があります。日頃から魅力のある学校づくりに努めることが、最も積極的な不登校対策です。

校長が強いリーダーシップを発揮して、児童生徒が通いたくなり、楽しい学校づくりを主体的に目指します。学校が、児童生徒にとって「心の居場所」であり、「絆づくりの場」であることが魅力ある学校づくりのポイントです。

「心の居場所」 自己の存在感が実感できる(大切にされている、認められている等)
「絆づくりの場」 教師や友人との心の結びつきや信頼感が実感できる

Q20 : 魅力あるよりよい学校づくりをするときのポイントは何ですか。
Q21 : 教職員と児童生徒との信頼関係づくりのポイントは何ですか。
Q22 : 不登校の前兆となる心のサインはどのようなものですか。また、その対応はどのようにすればよいのですか。
Q23 : 教育相談週間など学校全体で行う取組はどのようにすればよいのですか。
          【参考資料】心の健康調査について
          【参考資料】各種検査一覧(知能・発達、学力、人格、適正に関する検査)
Q24 : 研修はどのような内容をどのように行うとよいのですか。
Q25 : 中1不登校の未然防止など、小・中連携のポイントは何ですか。
          【参考資料】下呂市「小・中連携による中1不登校の未然防止」の取組の紹介
Q26 : 家庭とはどのように連携すればよいのですか。
          【参考資料】節目となる時期における不登校対策指導資料

第4節 学校復帰につながった取組の事例
           ・・・効果的な支援の在り方を参考にしましょう・・・

<小学校事例>
 1 : 校内外の連携により短期間で復帰したA君(小6)
 2 : 学校とのかかわりを意図的に図り保健室から教室へ(小4)
 3 : 担任と教育相談主任との連携による再登校(小2)
 4 : 全校体制による継続的支援が生きた再登校(小6)
 5 : 家庭との連携・楽しい学校づくりで再登校へ(小4)
 6 : 教育支援センターとの連携で学校復帰(小3・小5兄弟)
<中学校事例>
 7 : 教育支援センターでの個別学習支援による高校受験(中3)
 8 : 教育支援センターとの連携により相談室登校へ(中3)
 9 : 親子の信頼回復を目指した地域サポートチームによる家庭支援(中3)
10 : 校長の指導による複数の援助資源を活用した親子支援(中3)
11 : 教育相談ネットワークを活用した諸機関の連携で対応(中3)
12 : 地道な支援とタイムリーな関係機関との連携による対応(中2)

第5節 学校の緊急事態に備えて
           ・・・スクールカウンセラーの緊急派遣申請が必要なほどの緊急事態に
                      心の安定を図るために・・・

児童生徒や保護者のみならず、教職員の心にも大きな不安や緊張をもたらす緊急事態が起こった時、まずは児童生徒の心の安定を図る必要があります。そのためには、保護者や教職員が共通の認識に立って、児童生徒を支えることが重要です。そんな時に、どのような働きかけが必要なのでしょうか。また、教職員の対応だけでは難しいと考えられる場合に、スクールカウンセラーの緊急的な派遣を要請する際には、どのよう配慮をすればより有効な心のケアの具現につながるのでしょうか。

本節では、次の資料を用意しました。

  • 緊急時の教職員の心構え
  • 緊急時の保護者への働きかけ
  • 面談に生かすための心のアンケート(緊急時、平常時)
  • スクールカウンセラー緊急派遣における学校の受け入れ体制

これらのことは、緊急事態に対して適切に対応できるよう、理解しておくことが大切です。

なお、本編作成に当たっては、スクールカウンセラーの方々の学校での様々な支援を参考にさせていただきました。

  • 私たち教職員の心構えとして
  • 児童生徒に接するときには
  • 保護者の皆様へ
  • 心の健康調査:緊急事態時(小学校用)(中学校用)
  • 心と身体の健康調査:平常時(小学校用)(中学校用)
  • スクールカウンセラーの緊急派遣について

◇参考文献・資料の紹介

◇生徒指導や教育相談に関する研修会等を実施する際に参照するとよい資料やHPの紹介

  1. 教師用生徒指導の手引き「ほほえみと感動のある学校をめざして 改訂版−いじめの早期発見・早期対応のために−」(平成18年11月岐阜県教育委員会)
  2. 「いじめの問題への取組の徹底について」(通知)(平成18年10月19日文部科学省)
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06102402/001.htm(通知文)
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06102402/001.htm#betten
    (別添「いじめの問題への取組についてのチェックポイント」)
  3. 「子どもの自殺予防のための取組に向けて(第一次報告)」
    (平成19年3月児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する検討会)
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/kentoukai/houkoku/07050801/001.pdf
  4. 「中1不登校の未然防止に取り組むために」
    (平成17年7月国立教育政策研究所生徒指導研究センター)
    http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/tyu1.pdf(−中1不登校生徒調査から分かったこと−)
    http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/1panf.pdf(リーフレット)
  5. 「いじめ問題に関する取組事例集」(平成19年2月文部科学省、生徒指導研究センター)
    http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/ijime-07/index00.htm
  6. 「いじめを早期に発見し、適切に対応できる体制づくり〜子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議まとめ(第1次)」
    (平成19年2月子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議)
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/toushin/07030123.htm
  7. 「生徒指導資料第1集(改訂版)生徒指導上の諸問題の推移とこれからの生徒指導」
    (平成21年3月国立教育政策研究所生徒指導研究センター)
    http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/1syu-kaitei/1syu-kaitei.htm

◇不登校への対応等に関する通知文