学校名  宮村立宮中学校

 所在地  岐阜県大野郡宮村3072番地

 電話   0577−53−2014
 

 

1.本校の概要

 本校は観光地で有名な高山市の南に位置する宮村にある。生徒数103名の小規模な中学校であるが,「生涯学習の基礎を培う図書館教育」を合い言葉に全校態勢で取り組んでいる。各教室や廊下に図書コーナーが設置され,空き教室は資料センターとして整備されている。まさに,木造2階建ての,校舎全体が図書館という学校である。

 

2.本校の実践の概要

(1) 本校の実践の特色

 学校の教育目標「人間性豊かで,実践力あるたくましい生徒の育成(自学・博愛・克巳)」を受けて「豊かな心を育てる読書の日常化」と「学習に結びつく図書館利用の充実」を図書館教育の重点として掲げ,実践している。

       

 @「豊かな心を育てる読書の日常化」について

 本校の特色の一つは,読書の日常化を図るため全校態勢による計画的な指導を行っていることである。具体的には次のことが挙げられる。

・「読書指導年間計画」に基づく計画的な指導。

・配膳読書などによる継続的な読書時間の確保。

・「推薦図書」の選定や読書相談など,個に目を向けたきめ細かい指導の充実。

 主な取り組みは以下の通りである。

 

・配膳読書の実施 ・読書強化週・月間の実施

・秋の読書祭り実施 ・学級文庫の設置
・推薦図書の設定・「私の薦める一冊」の実施
・学期ごとの多読者表彰 ・読書相談の実施
・レーザーディスク試聴会

 

配膳読書は忙しい中学校生活の中,少しでも読書に親しむ時間を確保しようと給食の配膳時間を利用して行っている。この,一人一人に読書時間を確保する継続的な取り組みによって,推薦図書の紹介や読書相談等,様々な読書指導が生徒の心に浸み入るものとなっている。

 

A「学習に結びつく図書館利用の充実」について 特色の二つ目は図書館教育が校内研究と直結している点にある。研究主題,「自ら学び仲間と共に高まろうとする生徒の育成」を踏まえ,全教科,領域で図書館利用を位置付けた指導計画を作成している。生徒自ら課題を追究していく時間と場(自学活動)を確保し,情報の収集,選択,構成,発信等の力を付けている。 

  

B学習情報センターとしての整備について

 「自学活動」を支える学習情報センターとしての機能を充実するため,生徒を巻き込んだ全校態

勢で下記の点に取り組んでいる。

 

・各種資料の収集,整備 ・コンピュータ設置

・各種目録の作成 ・村民図書館との連携等

 

  整備のポイントは次の3つである。

・教科,選択の授業,行事等における生徒作品を資料として整備し,保存する。  

・「自学活動」に対応するため稼働率の高い図書を購入する。

・視聴覚機器,コンピュータ等,学習効果を高め る機器の充実を図る。

 

3.成果と今後の課題

 年間貸し出し冊数はここ3年間で約2倍になった。読書アンケートでは,「大好きな本に巡り逢えて読書が好きになった」「配膳読書で読解力が付き国語の成績が上がった」という声が聞かれる。 また,図書館を活用した授業により,放課後も図書館で調べ学習をする生徒の姿,村民図書館まで出かけて資料を探す生徒の姿など,自ら課題解決にむかい,図書館を使いこなす姿が見られるようになっている。

 現在,総合的な学習の展開を視野に入れ,各種資料の整備・充実を課題として取り組んでいる。