南アフリカ  南部アフリカの人々
 南アフリカやナミビア、ジンバブウェ、モザンビークなどの諸国を南部アフリカと呼びます。地続きの広大な大地に、たくさんのアフリカの人たちが暮らしています。
南アフリカにはズールー族、スツー族、コーサ族など、ナミビアにはオバンボ族・ヘレロ族・ダマラ族、コイサン族など、レソトにはバスト族の人々などです。
住んでいるところが近くであっても、それぞれに言葉や民俗が違います。どの人たちも独自の文化の中で誇り高く生きています。
さて、わたしは、緑豊かなゆったりとした大都市南アフリカ・ヨハネスブルグに3年間暮らしました。当時「南アフリカ」と言えば、アパルトヘイトやナミビア問題で世界中の非難の的でした。日本や世界の諸国は南アフリカに対して経済制裁を行い、その影響がじわじわと進行していました。1980年代も後半、アパルトヘイト崩壊直前の時でした。
 そんな頃、ヨハネスブルグから400qくらい離れたスツー族の人たちの居住区を訪ねたことがありました。村の中では鶏が鳴き、牛が歩く・・・と書くと牧歌的ですが、四方をフェンスに囲まれ、土は赤茶けて、見るからに作物の育ちそうにない土地です。
目指す家は村の中ほどにありました。煉瓦を積んで四方の壁を作り、その上に木を渡しトタンを張っただけの簡単な作りですが、なかなかうまく作ってあります。中に入るとトタン屋根の熱が頭上から伝わってきます。梁には肉がぶら下がり、干し肉が作られていました。
主はわたしたちの訪問を歓迎して、生温かいコーラでもてなしてくれました。プラスチックの器に入れたわずかばかりの水で、コップを丁寧に洗ってくれます。水は村の中に何本もない水道から汲んできたものでした。温かい気持ちが伝わってきました。
あれから十年余、アパルトヘイトも撤廃されて久しい今、あの時出会った人々はどんな風に生きているのでしょうか、暮らしているのでしょうか。残念ながら、音信は途絶えたままです。
                  (渡辺 泰司)

   太 鼓
 木をくりぬき、鹿の皮を張ってあります。
   カリンバ
 共鳴箱の上の針金を両手ではじいて音を出します。アフリカ大陸全体に見られる楽器だそうです。
   結婚式新婦用ビーズ飾り(新婦の人形)
 ンデベーレ族の女性は、結婚が決まると早速作り始めます。この人形のように身に付けます。ちなみにビーズは日本製だと聞きましたが本当でしょうか。
   木彫りの面
   (南ア・ズールー族)
 南アフリカの東部に多く住んでいるズールー族の人たちの木彫りの面です。靴墨で着色しています。ダーバンで見つけました。
   木彫り椅子
 大変硬い、当地の言葉で「アイアン・ウッド」と呼ばれる木で作られています。
     ダチョウの卵アート    弓矢(コイサン族)
 以前ブッシュマンと言われたこともある、カラハリ砂漠に住むコイサン族の人々が狩りに使う道具です。筒の中には数本の矢が入っています。
             南アフリカ